メインコンテンツにスキップ

DNP

Global

技術/研究開発 メッセージ

専務取締役 中村 治

印刷技術を軸に、強みを掛け合わせて新たな価値を創出

環境・社会・経済の変化が一層複雑になる中、企業にはそれぞれの強みを活かし新たな価値を生み出し続けることが求められています。DNPは創業以来、印刷技術を基盤として多様な製品・サービスを生み出し、人々が望む価値を広く社会に届けてきました。今後も、長年培ってきた技術とAIをはじめとする最新技術を掛け合わせ、顧客やパートナーとの共創を通じて、持続的な成長につながる新たな価値を創出していきます。

DNP独自の「INSATSU」の強み

DNPが捉える「INSATSU=印刷」は、紙などに文字や絵柄を刷ることにとどまりません。紙やフィルム、金属などの表面に多様な機能や情報を付与し、新たな価値を創出する技術として独自に進化させてきました。

 

私たちは、この技術を「印」と「刷」の二つの要素で捉えています。「印」は、企画・設計、情報処理、微細加工などの「価値を設計する」技術領域であり、「刷」は、精密塗工や後加工などの「価値を高精度に再現・量産する」技術領域です。さらに、材料開発や評価・解析などの周辺技術が、これらを支えています。さまざまな技術を掛け合わせ、新たな価値を継続的に生み出しています。

創業から150年間にわたって、紙への印刷から、­産業用高機能材、メディカル・ヘルスケア、半導体、デジタルインターフェース、モビリティなど、多様な事業領域へ展開してきました。このように技術を掛け合わせ、新たな市場や顧客価値へ継続的に転換する考えが、DNPが事業ビジョンに掲げている「P&Iイノベーション」です。

顧客起点で研究開発から事業化まで一貫して推進

DNPの研究開発は、基本的に顧客との接点を持つ事業部を起点としています。事業部が顧客や市場の課題・ニーズを捉え、本社組織である研究開発部門へつなぐことで価値創出が始まります。研究開発部門は、技術の探索・創出から実用化までの「0→10」を担い、その成果を事業部へ移管して「10→100」の事業拡大へとつなげます。全社的な戦略設計とテーマ選定のもと、研究開発から事業化までを一貫して推進し、成果を着実に事業価値へ転換していきます。

この体制を支えるため、2025年度には422億円の研究開発投資を実施しました。2026年度からの3年間も、累計1,200億円規模の投資を継続し、注力事業領域に経営資源を重点的に配分することで、将来の競争力の源泉となる基盤技術を高度化していきます。

世界の知見を結ぶ研究開発のグローバル展開

最先端の研究開発や人材、顧客・パートナーのグローバル化が進む中、DNPは海外の研究開発拠点を強化しています。2025年にオランダ、2026年にインドに拠点を開設し、それぞれの地域特性を活かした研究開発を推進しています。オランダ・アイントホーフェンの拠点では、次世代半導体分野を重点テーマとして、先進的な研究機関や企業との連携を通じて最先端技術とグローバルなネットワークの獲得を進めています。

 

また、インド工科大学ハイデラバード校内の拠点では、モビリティ分野やメディカル・ヘルスケア分野を中心に共同研究を推進しています。成長市場であるインドにおいて、現地の研究基盤や人材とDNPの基盤技術を掛け合わせ、実証実験や社会実装を迅速に進めながら、事業化を見据えた研究開発に取り組んでいます。

知的財産とモノづくり基盤で競争優位性を強化

DNPは、知的財産を持続的な成長の基盤となる重要な経営資産と位置付けています。事業戦略の構想段階から知財戦略を組み込み、事業部門・開発部門・知財部門が「三位一体」となり、成長を見込む領域に重点的に注力します。コア技術と周辺技術を含む特許網を戦略的に構築し、事業の差別化と収益力の向上につなげます。

 

また、DNPは、国内外のトップブランド企業などとの対話を通じて、社会課題や顧客ニーズを把握し、それらを研究開発や事業開発に反映しています。材料設計から生産プロセス、生産設備の開発、据え付け、保守までを一貫して自社で担えることもDNPの大きな強みです。研究開発と設備開発を一体で進めることで、生産性と品質を両立する最適な生産システムを構築し、顧客が求める価値を確実に実現しています。さらに、独自の生産プロセスなどをブラックボックス化することで高い参入障壁を形成し、社会課題の解決や顧客価値の創出を支える世界トップシェア製品の競争力につなげています。

人と技術の力で、より良い未来へ

DNPは、産業用高機能材、メディカル・ヘルスケア、半導体、デジタルインターフェース、モビリティなどの注力事業領域に研究開発リソースを集中させ、技術の創出と事業化を加速しています。その中核を担うのは、研究開発に携わる一人ひとりの人材です。

 

DNPの「INSATSU」は表面に情報・機能の価値を実現する、無限の可能性を持っています。長年培った「印」と「刷」の技術基盤をさらに進化・深化させるとともに、最先端技術や社内外の多様な知見を掛け合わせ、新たな価値の創出に挑戦していきます。そして、顧客やパートナーとの共創を通じて、社会課題の解決と人々の期待に応える価値を生み出し、より良い未来の実現と持続的な成長につなげていきます。

専務取締役
中村 治